その女が、うちにやってきてから、もう、かれこれ1年半になる。ちょうど、その頃、MJを亡くしたあとで、その跡に生じたとてつもない空虚感を埋めるなにかしらが、私には必要に思えたからだ。女は、長毛で、西洋の純血種らしく、豊満な肉体を持っていた。
おおよそ、1年経った頃から、女は、私を誘惑しはじめた。
　私が、仕事で、Xcodeと向き合っていると、机の上に登ってきて、これみよがしに、その豊満な肢体を私の目の前で披露するのだ。しかも、ふっさふっさの尻尾で、鼻をくすぐったりもする。
　そして、あっけに取られる私を、じっと凝視するのだった。あたかも、”私を撫でなさい”とでもいうように。

女：”あなたが、私を撫でたいのは、よーく分かってるのよ。ほら、私を撫でなさいな。”
私：”それでは、撫でさせて、いただきます。”
女：”あー、そこそこ。気持ち、いいわぁ。”（ゴロゴロゴロ）
女：”もっと、気持ちをこめて、撫でなさい。”
私：”はい。”
女：”うーん、いいわぁ〜”（ゴーロゴロゴロ）
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