BMW K75の弱点は、K75Sの記事の中では、もっともPVが多かったので、Futura版を書いてみることにする。ちなみに、現在、保有は、5年8ヶ月ほどである。Futuraは、弱点が多いので、付き合っていくには、忍耐心が必要だ。

1 レギュレータ=ステーターコイル間のカプラー
 OEは、茶色の6極カプラーだが、大電流に耐えられなくて溶けることがあるという。うちの個体は、すでに来たときから交換済だった

2 燃料リターンホースのクイック・ディスコネクト
 OEは、樹脂部品だが、これが破損して、燃料漏れがおきることがあるという。金属製の対策部品が、AF1 Racingなどで売られているが、$40ほどしたと思う。

3 スターター・リレー
 OEのスターター・リレーは、容量不足で焼けることがあるという。うちに来た個体は、既に、Honda・Kawasaki純正タイプに変更されていた。

4 ステーター・コイル
 OEは、焼損しやすい。ステーターコイルの焼損は、他のバイクでは経験していない。

5 レギュレータ
 OEは、古い新電元だが、いいかげん古いので発電能力が落ちてくる

6 メーターがつかない その1
ニュートラルランプとサイドスタンド警告ランプがつくが、他のものがつかない場合は、メーター基板にある、3つの電解コンデンサーのうち、1番左のものが寿命が来た可能性が高い。この電解コンデンサーは、SMDタイプなので、付け替えには、はんだ付けの技術は必要

7 メーターがつかない その2
 ニュートラルランプ、サイドスタンド警告ランプを含め、一切動作しない。この場合、メーター裏のカプラーでの接触不良が疑われる。

8 リアホイールベアリング
 Futuraのキングベアリングは、速度検出用のマグネットリングを組み込んだ、専用品で、もう部品はでない。日本では、社外メーターでも、速度がでればOKなので、車検を通すためには、社外品メーターを使う方法はある。

9 イグニションコイル
 Futura/Caponordに長年のっていると、かならず経験するのが、コイル・エラー。このコイルは、四輪のルノー クリオv6、Peugeot 606などのv6エンジン搭載車にも使われたものだが、コイルの値段は安くはない。コイルひとつのエラーでは、走行に問題ないことが多い。

10 バッテリー
 大排気量V2ということで、スターターモーターの電力要求はきつい。だから、弱ったバッテリーでは、クランキング出来ない可能性がある。また、弱ったバッテリーをつかうと、他の電気トラブルを誘発しやすい。純正は、YTX12BSだが、CCAの値が大きいYTZ14Sを使うのが定番になっている。但し、YTZ14Sは、YTX12BSよりも背が高いので、純正のバッテリーカバーはつけられなくなる。

11 クラッチが重すぎる
 クラッチが重いので、日本の渋滞路には極めて弱い。左の握力が持たなくなる。これは、UKのオーベロン製スレーブシリンダーに交換するとかなり改善される。

12 サイドスタンドSW
 サイドスタンドSWは、Hondaなどでも見られるロータリー式のものだが、サイドスタンド側のケーブルのSWのところが、傷んでいることがおおい。ホンダ用のロータリーSWは、カプラーでの配線の繋ぎ変えで使える。そのままでは、使えない。

13 超低速域でのエンジンのいらつき
 大排気量2気筒車である、問題。Futuraでもある。だから、日本の渋滞気味の市街地走行は苦手で、得意なのは、ゴーストップのない、オーバー80km/hの走行。

14 ハイギアードすぎる、スプロケット構成
 Futuraは、6速だが、日本の法定速度は、最高120km/Hだ。だが、Futuraは、EUのツーリングマシンなので、オートバーンなどの走行も考慮して、ギア設定が高い。オリジナルの構成だと、250km/Hほどは、簡単にでそうだが、反面、6速では、80km/Hは苦しいとおもう。また、高速道路でないと、5,6速の出番は、ほとんどない。
 だから、日本の外へ行かない予定なら、スプロケットを変えて、ギア比を落としたほうがいいだろう。日本の都市交通には、あまりあっていない。クラッチ重いので、ゴーストップがおおいのは苦手だし、エンジンの爽快感が感じられる速度で走れないから。

15 ギアをニュートラルにいれずらい
 これは、Futuraを含む Aprilia V-2の初期のものに見られる問題で、クラッチジェットを交換することで、問題は解消される。交換用のクラッチジェットは、AF1 Racingなどで売っている。

16 ウィンドースクリーン
 OEMのスクリーンは、黄ばみはでないが、経年変化で、横に線がはいるようになる。これはひびわれだと思うが。海外から、互換スクリーンを買うことは出来るが、送料も含めるとかなりの値段がする。

17 電装系全般
 Futuraは、ビッグツインということで、起動時の電流はでかい。だから、弱ったバッテリーは禁物だ。弱いバッテリーでは、得てしてトラブルを誘発しがちなので。EFIワーニングがつくと、げっそりする想いを味わうことになる。

18 フロントシリンダー・プラグホールにごみ
 フロントフェンダーがあっても、フロントシリンダーの2つのプラグホールは、前傾なので、ホイールではじかれた土砂が、飛んで来てたまることはある。時間がたつと、当然、ゴミは増え続ける。だから、プラグ交換時は、交換前に、エアーダスターで、ゴミを吹き飛ばすことが絶対必要。