ヤフオクを巡回していて見つけて、安値で落札できた。円筒Mac Proの出現後、いくつか出てきたmini ITXボードを載せる円筒型PCケースのひとつ。ほとんどのものは2020年をまたずに生産中止となった。iMagic PIも絶版である。
本家は、iMagic PIといい、色は、黒と白がある。日本では、ITCという会社が、日本語組み立て手順書をつけて、黒鼓というネーミングで、黒だけが売られた。組み立て手順書は、B6 1枚の紙で、大したことは書いていない。日本語手順書には、電源はATXと書かれているが、ATX電源は大きすぎてつかない。SFX電源が必要。

 で、ケースは落札できたが、中身はどーしたものか、としばし思案した。このケースは、当然のことながら、サイズの制限が厳しいので、今のデスクトップWindowsの置き換えにはなりそうもない。というのも、メインのWindowsではゲームもするので、グラフィックスカードが必要だが、PIでは、MBはITXで、カードは、LPのワンスロットものしか入らないから。
 そもそも、それなりのGPUカードは、たいてい、2スロットサイズで、かつLPのものはほとんどない。GTX1030とかなら、あるかもしれないが、そんなものに金を出す気はしないし。
 それで、結局、現在、Linux App Serverとして運用しているHP Proliant Microserver Gen7(AMD Turion II)を、低消費電力指向のMBをのせて、置き換えることにした。もちろん、MBもSFX電源も手持ちはないので、新規調達だ。

 結果、以下のものを入手した。

MB: Asrock J3710-ITX(Pentium J3710搭載mini ITXボード) 中古
PSU: SilverStone ST30F v1 中古

Pentium J3710 は、ノート用のCPUで、MBにハンダ付け。2016年のCPUでも、ここで運用しているPCプロセッサとしては、最新だ。CPUのTDPは、6.5Wという話だから、本当は、300WのSFX電源はでかすぎるんだが、PIのケースデザインとして、電源を固定する枠にポン付け出来るのは、SFXだけなので、安全策をとって、SFX電源を使うことにした。ノートPC用のアダプターを使う方法もあるのだが、それのコンバージョンボード(Pico PSU)も安くはないので。

外観
 PIは、円筒Mac Proより一回り大きい。Mac Proは、直径167mmだが、PIは、直径は205mmほどもある。Mac Proの外殻は、一体の金属製の筒で、ノッチ動作一つで脱着可能な優れた設計。PIは、ツーピースの金属製円筒で、ネジ止めである。
 PIの円筒の上端と下端には、青色LED照明つきの12cmの冷却ファンがついている。オリジナルの設計は、ファンコントローラーがついていて、ユーザーが、high/low/stopを選択できるのだが、私は、上下共、ファンコントローラーは使わずにMBのファン制御用のヘッダーにつなげた。

内側
 MBは、mini-ITXで、Mac Proと同じ様に、MBのバックパネルが外を向く形。それで、Mac Proと同じ様に、電源口がバックパネルの下。CPUクーラーは、高さ60mm未満。それ以上だと、SFX電源に干渉してつけられない。HDDは、2.5か3.5を1け搭載できる。2.5の場合は、両面テープ等をつかえば、複数搭載可能だとは思う。マウント用のネジ穴は、ドライブ1個分しかない。


結論
 結局、このケースでは、PCI EXpressボードの設置について、LPかつ、1スロットという条件があるので、本格的なGPUカードを載せるのは難しい。デザインでは、発売価格オーバー20万円だった、Mac Proの仕上がりには、遠く及ばない。Mac Proにならって、外側のシェルもワンピースの鏡面仕上げにしてると大分印象はかわると思うんだが、コストの上では無理なんだろう。PIのシェルは、鉄板なので、いまのつや消し黒の塗装をサンドブラスターなどで自分で剥がして、クリア塗装すると鏡面になると思うが。ただし、それをやった場合でも、ケースの上端と下端は、黒の樹脂製なので、美観ではあまりマッチしないだろう。徹底するには、上端と下端の黒い樹脂の蓋を金属製にするしかないが、ワンオフするしかないので、これは手が届かない。

macpro_pi1円筒Mac Proと円筒PC