15年近く昔の話。当時、私は海外向け3G携帯電話ソフトの開発をやっていたのだった。
会社の方針として、ソフトウェア開発の実働部隊のあらかたは、外注会社の傭兵で、社員はそのコントローラーをやるという考え方だった。まあ、ともかく数が必要だという信念(?)からかロークオリティをたくさんやとってデジタル土方やらせるという感じ。

 そーすると、まともに、海外産ベースソフトウェアの英語ドキュメントを読めないもんだから、バークレイTCP/IPソケットの考え方も理解できずに、ベースソフトウェアを修正するもんだから、とんでもないものができる。オリジナルのものは、multiple PDP対応だが、脳機能障害のその集団では、デグレードさせて、フラグだらけでメンテが困難なsingle PDPしか使えん代物となる。もちろん、PDPの意味もわかっていない。

 そもそも、正社員をコントローラーとかいっても、技術がわかっていないとコントローラーどころの話ではなくて、ただの(XXさんAAをお願いしますね!を連呼するだけの)選挙運動員になってしまう。東電福島第一原発事故でも、現場の対応方法がわかっていたのは外注社員で、社員はけっこうだめだったという話がある。結局、やたらめったら、無用に人が多すぎて、3人でやれるようなことを10人以上かけてやるので、むちゃくちゃ手間と時間がかかる。

 たとえば、その携帯電話ソフト開発の巨大な集団の連絡方法はメーリングリストだったのだが、それが凄い。本部長(取締役)もはいってるのだが、その日のデイリービルドで、ビルドエラーが出ました!というのが、おおよそ、100人以上にばらまかれるんだから。しかも、それだけ大多数のメールボックスを連日絨毯爆撃してることの異常さにきづかないという、sheer madnessの世界。

だいたい、幹部にソフトウェアがわかっている人がおらず、HWあがりの年寄りが多すぎた。多分、ハノイの塔がなんだかを知ってる人は、幹部にいなかっただろう。

 もちろん、そんなてーたらくだから、インセンティブのおかげでコスト競争が緩い国内はともかく、海外からはコストもスピードも話にならなくて駆逐されてしまった。不思議なのは、それだけの敗戦で、幹部(患部?)は誰も責任取らなかった事だ。ということで、会社の根本が腐っていた。
 その会社は、私がおさらばしてからほどなくして、別の事業上の失敗で経営が傾き、外国の会社に買われてしまったが。。。。

War of the Century(WW2の独ソ戦を描いたBBCドキュメタリー番組)の中で、OKH(陸軍総司令部)の元幕僚がインタビューに応えて、ヒトラーの戦争指導を、"実に破滅的な体制でした"と答えているが、私も、同じようなフィーリングはある。