この数日という間に、カンダハー、ヘラート、ジャララバード、マザル・シャリフという大都市があいついで、タリバンの手に落ちた。いずれの都市でも、政府軍の抵抗は軽微だったようである。
それで、今朝のニュースでは、大統領はタジキスタンへ脱出して、タリバン兵が大統領宮殿を闊歩している映像が流されている。ほとんど、戦闘はなかった模様。いまでも、USの撤退作業は続いている模様。
 2001年に、当時のタリバン政権がオサマ・ビン・ラディンを引き渡さないので、USはノーザン・アライアンスに加担して、アフガン戦争に参戦してタリバン政権を転覆させたのだが。それから、20年たって、タリバンは復活して、USを追い出すという。まさに、サイゴン陥落とおなじような情景が再現されている。

 バイデンは7月の記者会見で、タリバンが全土を掌握することは、highly unlikelyといい、サイゴン陥落のようなことは起きない、といったのだが、その予言は全て外れている。

 どこで、USは道を誤ったのか。これまでの大統領は、Bush(2001 -2008),Obama(2009 - 2016),Trump(2017-2020),Biden(2021-) だが。最初の4年ほどは問題なかった。問題は、その次だった。USは出口戦略を模索することになるが、はかばかしい進展はなかった。で、オバマの時にタリバンと交渉する道を探し始める。で、トランプの時にアフガニスタンがどうであれ、軍を撤退することを決める。というのも、アフガンへの関与は、US市民には不人気な政策だったから。

 シリアのクルド人を見捨てて、アフガニスタンを見捨てて、中東でのUSの信頼度は大きく損なわれた。ベトナムでの敗北は、アメリカ人に衝撃だったが、今回の敗北はもっと大きいだろう。しかも、2001年の戦争で達成した事は、すべて失われた。2001年には、ノーザンアライアンスという強力な反タリバン勢力があったが、今はそういうものはなくて、状況はもっと悪い。Liz CheneyやH.R.Mcmasterの言っていることが、説得力を持つように思う。タリバンを合法的な交渉の相手と認めたのが、そもそもの間違いだったのだと。