本:The Sinner/Petra Hammesfahr 1999 amazon/Kindle
TV: USA Network(2017)

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本はドイツでベストセラーになったものが翻訳されて、10年以上経てから、映像化の権利をUCPというUSのTVプロダクション会社が取得して、ジェシカ・ビールのIron Ocean Filmsが映像化することになった。放映先は、USAネットワーク(というチャネル)で、全8話のミニシリーズ。TVは本を元にしているが、TVの方が、長い分だけ、いろいろ本にはないシーン、キャラクターなどが追加されている。

主な違い

場所 本はドイツ中部の田舎。TVは、NY州の郡部

時: 本は、Queenのボヘミアン・ラプソディがはやったころというから、80年代から90年代。TVは、iPhone/Androidの大画面スマホがあるので、2010年以降。

担当刑事:本は、Rudolf Grovianで、いたって普通だが執拗な刑事。TVは、Harry Ambrozioという私生活でも悩みごとを沢山抱えた初老の刑事。Harryのサイドストーリーは、シーズン2以降へ引き継がれていく。

夫:本の夫(Gereon)は、拘留されているCoraの面会に一度も行かず、Coraを見限ってしまう。TVの夫(Mason)も、大きく動揺するが、最終的にはCoraをサポートして、その復帰を待つことにする。

Cora:本のCoraは、捜査に非常に非協力的で、架空の話を告白して捜査はなかなか進まないばかりか、途中で自殺も試みてしまう。また、家族のことも早くにあきらめてしまう。TVのCoraは、本のCoraよりは協力的。彼女にとっての宝は息子で、自分をあきらめず、やがて、刑事Harryとの間に信頼関係が生まれてくる。

結末:TV版では、2年後にCoraは釈放されて、夫と息子の待つ家庭へ復帰できることが予想される明るい展開。本のCoraも経過が良ければ1年か2年で釈放されるみこみだが、行き先は、叔母のMargaretのところしかない。エンディングの記述には、明るい未来を予測できるものはない。

 ということで、読後感というか観終わったあとの感触は、TV版は、法定のシーンなど、いろいろ視覚に訴えるシーンが多数含まれて印象強いし、エンディングも、Coraは、2年後には望んでいた愛してくれる夫と息子のいる普通の生活をとりもどせそう、という明るい未来を示すもので良かった。本は、Coraの事件がおきるまでのCoraの育った家庭の異常な記述が多くて、暗い。エンディングも明るい未来を予測させるようなものはなく暗い。TVのような印象的なシーンを想像させる記述もほとんどない。
 なので、本を読むと、改めて、TV版脚本や演出は、よく出来ていると思う。
 なお、TVの方は、シーズン3まで放映済でシーズン4は、現在撮影中。シーズン2以降は、本の原作はない。すくなくとも、Petra Hammesfahrの本ではない。Hammesfahrの本で英語版がでているのは、The SinnerとThe Lieの2本だけのようである。日本語訳は、まったくない模様。