今回、Futuraのクラッチ動作確認に手間取ったので、改めて、正しいと思われる方法を記述しておく。これまで、Apriliaに乘ってない人には馴染みのないこともあるので。

ブリーディング(液注入、エア抜き)

手順は、Recurring clutch and brake issuesにある。英文。

要約すると、

スレーブシリンダーの形が良くないので、装着前に液を充填し単体でエア抜きする。

スレーブシリンダーを車体装着後、シリンジをつかって、スレーブシリンダーのブリーダーバルブから、液充填する。マスターシリンダーのリザーバーを3回交換するほどやれば十分。

センタースタンド立てた状態でハンドルを右へいっぱいに切り、ホース内のエアがあがってくるのを待つため、2時間程度放置する。

レバー操作で、エアが出てこなくなるまで、シコシコやる

マスターシリンダーのバンジョーを緩めて、マスターシリンダ上部のエアを抜く。


テスト
 レバーの手応えがあるなら、センタースタンドははずす。
 シートをつけて、乗る。
 サイドスタンドは、はずす。
 その状態で、ギアを1にいれて、クラッチレバーを握れば前後に車体が動かせることを確認。
 クラッチレバー解放では、車体が動かない事を確認。
 ギアをニュートラルにする
 イグニションSWをONの位置に。警告灯が油圧を除いて全部消えること、ギアニュートラルを確認
 エンジンスタート
 クラッチレバーを握る。ギア1で、車体が前に進まず、エンジンがアイドリングをキープ出来る事を確認


以上だ。センタースタンドやサイドスタンドを使ってテストしてはいけない。サイドスタンドたててると、セーフティ・メカニズムのせいで、エンジンは止まるので。

トラブルシュート
 上のテストで、エンジンがアイドリング出来ないとか、車体が前に進む、あるいは、エンジンオフで、ギア1、クラッチレバー握って、車体を動かせない、などの問題があるなら、クラッチまたはクラッチ油圧系に問題があるのだろう。
 クラッチ油圧系の最終目的は、クラッチプッシュロッドを押すことにあるので、エンジン右側のクラッチカバーをはずして、クラッチ・プッシュロッドが、どの程度押されているのか見る必要がある。3mm程度押されていたら、ブリーディングは十分できている。それにもかかわらず、クラッチが切れない現象が観測されるならば、クラッチを開けて、プレートの状態やベアリングの状態を確認する必要があるだろう。

 なお、クラッチ・プッシュロッドの動きを見るために、クラッチカバーを外すだけなら、スリッパー・クラッチのダイアフラムがオイル漏れをささえているので、オイルはほとんど漏れない。
 クラッチをあけても、オイルは若干量しかぬけないので、事前のオイルの抜き取りは不要で、あとで不足分を継ぎ足すので十分だろう。

 エンジン・オンで、クラッチレバーをフルに握って、車体は前に進まないが、ギアのシフトがほとんど出来ないとか、Nに入れるのが困難というのは、実際には、クラッチは完全に切れていない。クラッチが完全に切れていれば、すくなくともギアシフトは出来るはずなので。