11/1に、小池知事は、記者会見し、豊洲市場の第2次自己検証報告書は、公開された。
要は、盛土をすることに、都としても、決定していたのに、あとで、盛土は、建物部分では行われず、保守用の空間が設けられることになった。ところが、この変更案で、実施されたが、上にも横にも報告や必要な手続きは、おこなわれず、都議会、都知事、都民は、全面盛土をしているという説明を、最後の最後まで、受けるハメになった。

時系列(西暦で)

2008/7: 専門家会議終了。市場全面に、盛土をすることを提言。
2009/2/3:技術会議報告書。全面に盛土することを含む。
2009/2/6:市場の整備方針決定。全面に盛土をすることが含まれる。石原都知事決済。
2010/11/12:中央市場管理部が、基本設計の起工書を決定。モニタリング空間が含まれる。
2010/11:全面盛土を前提とした環境影響評価書案が、中央卸売市場から環境局へ出される
2011/2/16:日建設計は、モニタリング空間を前提とした設計要求を、都側から受ける
2011/6/30:日建設計による、設計完了。モニタリング空間あり
2011/7: 全面盛土を前提とした環境影響評価書が環境局へ出される。
2011/8/18:新市場整備部の部課長会で、モニタリング空間ありの設計でいくことを確認。

 それで、以下の人々が、責任があるとされた。役職は、当時。()内は、現在。











氏名 役職現在
岡田至市場長東京都歴史文化財団副理事長
中西充市場長副知事
塩見清仁管理部長オリンピック・パラリンピック準備局長
宮良眞新市場整備部長八重洲地下街(株)常務
白田仁基盤整備担当部長-土木
加藤直宣基盤整備担当部長-土木
砂川俊雄基盤整備担当部長-建築
久保田浩二基盤整備担当部長-建築


 これらの人については、懲戒処分を行う予定とのこと。
 岡田市場長、中西市場長、塩見管理部長は、いずれも、知らなかった、存じません、と回答しているわけだが、どーして、新市場整備部長以下は、正式な手続きを行わずに、そのまま放置で、都の整備方針と違う案を実施したのか。説明がつく理由は、都の整備方針、というのが、現場レベルでは重要視されていなくて、盛土にするかモニタリング空間にするかは、現場の裁量にまかされている、という誤った認識を持っていた、ということにしかならないと思う。同様に、環境アセスメントについても、軽視していたのだろうと思う。

 残る疑問としては、全体の予算は、全面盛土を前提としたものであった筈だが、実際に実施した案とで、差額がでているはずなんだが、その差額は、だれのポケットに入り込んでいるのか?実際に、全面盛土分の土砂を採取しているはずなのに、使わなかった土砂は、どこへ行ったのか?

 まぁ、いずれにせよ、情けない話ではあるが、こういう報告書が出てくるのは、小池知事のおかげである。増田寛也が都知事だったら、永遠に表沙汰にならなかった事だ。今回、小池知事のおかげで、東京都のガバナンスは、平均的な日本の大企業のアベレージよりは、上に来たのではないか。

 なにしろ、日本の電機で、海外携帯電話に挑戦したところは、みんな潰走して逃げ帰ったわけだが、懲戒、降格処分は、なかったわけだし。三菱自動車は、ダブルフォールトの益子氏が、まだ社長をやるくらいだし。古くは、1.5兆円を、AT&Tワイヤレスの投資ですってしまった立川NTTドコモ社長は、その優れた経営手腕を買われて、JAXAの理事長におさまったくらいだし。東芝の歴代3社長は、これが粉飾でなくてなにが粉飾なのか、というので、起訴するのか、証券取引委員会と東京地検特捜部で、今でも揉めてるくらいだし。

ということで、私は、小池知事は、偉い! と思う。この調子で、スーツ服をきたよからぬ爺さんたちを、バシバシ退治していただきたい、と思う。

PS
豊洲問題「指示や意思決定していない」 元幹部反論 TBS

と、宮良新市場整備部長(当時)は、知らなかったし、指示もしていないし、部課長会には、そんな権限もない、と述べているのだが。。。まぁ、なんというか、ひどい組織運営だったとしかいえないような。全面盛土するかしないか、担当の部長が知らないでもできるなんて、どういう管理してたんだろうか、と思う。だから、こういういいわけでは、宮良さんは、免罪には、ならないですよ。だって、モニタリング空間入の設計書、起工書にハンコ押してるんだから。下が上を通すために嘘の書類を作って、それにハンコ押してたのなら、免罪符はもらえるでしょうが。そうじゃないんだから。
 まぁ、宮良さんの話を信じるとなると、担当部長以下が暴走してモニタリング空間案が実施され、上は、盲判を押してた、ということになるが、そういう関東軍の暴走みたいなことが、今でも、ありえるんでしょうかね。