出版社:文春新書
ISBN:978-4-16-660602-3
著者:小池百合子
評点:3star

 さきほど、東京都知事に選ばれた小池百合子の防衛大臣在任55日間の日記調散文が、前二章。最後の三章は、著者の主義・信条を述べたもの。
一章は、久間防衛相が自身の”しょうがない”発言で、退陣においこまれて、筆者が国家安全保障担当首相補佐官から防衛相に就任して、最初のおおよそ30日間。
二章は、事務次官人事をめぐってのゴタゴタと、Aegis艦情報漏えい事件の責任をとって、内閣改造にあたって、再任要請を固辞し、退任するまで。
三章は、この時の筆者の主張、考えをまとめたもの。

 ちなみに、第一次安倍改造内閣は、2007年8月27日に発足したのであるが、約2週間後の9月12日に、安倍首相は、急遽、記者会見を行い退陣を表明した。当時、自民党や政権幹部のほとんどにとっても、安倍首相の辞任表明は意表を付くものであったが、筆者も、そうであったらしい。

 本としては、最初の2つは、まぁ、散文調で、参院選にかぶってもいるので、選挙応援などの話が多い。筆者の交流の輪の広さも伺える。最後の章は、筆者の考えを知るには、いいのではないだろうか。
 あの時、安倍改造内閣に残っていても、安倍内閣は、わずか、2週間後に倒れたのであるが、在任期間55日とは、もったいない話しである。いまの自民党閣僚で、通訳なしで、海外要人と会話の出来るものが、いったい何人いるのであろうか。
 知事としての、辣腕を期待したい。